第6章 THREE
新しい年を迎え、忙しい毎日を送っていた。
今日は秋に発売されるアルバム収録日。
バラバラの仕事で、なかなか揃わなかったメンバーが全員揃う。
楽屋から漏れ出る笑い声を聞きながら私は小嶋さんと室内に入った。
「おはようー。
全員揃ってるか?」
一斉に小嶋さんを見つめる視線。
「おはよさん」
「おるで〜」
「じゃ、早速だが・・白元」
「私が?」
「白元が確定させた仕事だろ?」
内々に話があった仕事。
それがやっと決まった。
「えっ?何か決まったん?」
「何の仕事?」
嬉々としたメンバーの表情。
私は深く息を吸い、みんなを見渡しながら発表した。
「今年の24時間テレビメインパーソナリティーを関ジャニ∞が務める事に決まりました」
沈黙が室内を満たす。
驚いたり、喜んだりするかと思ってたリアクションとは全く違う。
「・・・悪い、もう1回言って」
横山さんの言葉に戸惑いながら私は、再度報告した。
「日テレの24時間テレビのメインパーソナリティーに決まりました」
「「よっしゃぁー!!!」」
「マジ?マジ?マジかーっ!!」
「めっちゃ嬉しい!!」
一気に騒がしくなるメンバー。
手を取り喜んだり、抱き合ったり、喜びを露わにしていた。
「お前らやっとここまで来たんだ!
掴み取ったものを自分の糧にしろよっ!」
隣に立つ小嶋さんも嬉しそう。
そうか・・
私は、データでしかメンバーの過去を知る事が出来ない。
デビューからこの日まで、彼等に何があったのかもわからない。
ずっと、関ジャニのマネージャーを務めていた小嶋さんの瞳は潤んでいた。
彼等は、必死にここまでやって来たのだ。