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俺らのマネは地味子さん。

第16章 THIRTEEN






ーすばるsideー


「あー、ほんま痛いで」

「天罰や」

ピリピリした空気が薄れた。

俺は、ホッとした。
ヒナが殴った時はほんまどーなるかと思った。

大倉が持って来た保冷剤で頬を冷やすヨコ。

ワザとヒナを挑発したってはわかってた。
わかってたから止めたんや。

ヒナが相手じゃ、勝ち目ねぇからな・・



「あー、信ちゃんまで相手じゃ俺に勝ち目無いやん。
すばるくんでも手一杯やで・・」

亮・・

「その上、横山くんまでやろ?」

ハッキリ口には出してへんが、ヨコが地味子を想ってるのは確かや。


「・・裕ちんは違ゃうで」

「えっ?」
「マル?」

ジーッとヨコとヒナを見つめるマル。
悲しげな笑みを浮かべたマルは、俺たちに視線を向けた。


「裕ちんの好きとしぶやんたちの好きは違うんや」

「何か知ってるのか?」

「・・聞こえたんや」


それだけ言うとマルは俯いた。
これ以上、言う気はねぇみたいだ。

マルが言いたい事は、何とかなくわかった。
ヨコの事や譲る気でいるんやろーな。

まぁ、そう半端な気持ちなら関わって欲しくないのも本音や。


「さて、話を戻すか」

「お前がゆーな」

ヒナのツッコミに笑いながらヨコは、視線をヤスに向けた。


「えっ?何を話せばええねん」

「今日のはあれは何?」

「あー、あれは白元ちゃんがいるかもって思って、山田に通ってもらったんや」


まさか逆車線とは思ってへんかったけどな と、笑うヤス。


「今、地味子はどこだ」

ヤスは、眉を寄せ首を横に振った。

取れへんのか。


「ほんま突然いなくなって今日のが唯一の手掛かりやったんや」


そう言って村上くんを見るヤス。

何やその視線・・
その視線の意味って・・

もしかして、ヒナんちにいるのか?!




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