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俺らのマネは地味子さん。

第13章 TEN







ー渋谷sideー


あー、やっぱりそうやったんやな。
俺の直感は間違いなかったんや。

ちゃんといてる、この会場に、俺たちを見ててくれてる。


「なー、ヒナこれどうやって終わったらええの?」

始めたのはいいが終わり方を知らない。
てか、考えてなかったわ。

「ば、バカ!俺に振るなや!」

亮達を見てたヒナは小声で聞く俺の頭を思いっきりど突いた。

あかん、ヒナも考えてなかったみたいやな。
さて、どうしたもんか・・

「し、渋谷さん、皆さん、限界です」

そこへ山田の声が会場を包んだ。

「あっ、これマネージャー山田やで」
「めっちゃ半泣き声や」

「もう抑えられません、苦情がっ!
・・時間オーバーし過ぎですよーぉ!
地味子さん!助けて下さい、俺じゃ無理でーーーす」

そこでドッと会場に笑いが起こった。
本気で地味子に助けを求めてる。

これ幸いとヒナは締めにかかった。

「ほんまや、喋り過ぎた!
こりゃ、めっちゃ怒られるで俺たち」

「その覚悟だから、いいよ」

「大倉は怒られても効かんからなー」

「と、言う事で俺たちの我儘に付き合ってもろーて、ほんま感謝してます。
ありがとうございます!
皆さん、夜も遅いで気を付けて帰ってな」

「ありがとう」

「またね!!」

それぞれ、別れの言葉を言いながら俺たちはステージを降りた。

ステージからは歓声が聞こえる。

良かったのか悪かったのか正直、わからん。
わからんけど伝わった想いもあるはずや。



「あかん」

「何!ヒナが泣いてる」

「お前もやヨコ」

「誰か章ちゃんにティシュ〜」

「亮も鼻水ヤバイで。
つうか、マル泣くか笑うかどっちかにしてや」

「だ、だ、だって・・・」

あかんな。
何で拍手して出迎えてるんや。

お前達も怒られるかもしれんねんで。
お前達は何も知らなかったんやで。
お前達の仕事長引かせたんやで。


「お疲れ様でした!」
「素敵でした」
「感動しました」

横暴で無茶でありえへん事をしでかしたんやで。

あかん、泣かすなや。
ほんま、やって良かったって。

ほんま、ほんまあかんわ。





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