第13章 TEN
「嘘の記事に惑わされんで欲しい」
俺達の願いはそれだけや。
記事の事触れんで無視を決め込む事は出来へん。
信じて欲しいとも言えん。
わかって欲しいとも言えん。
ただ、事実を知って欲しかった。
それがあの日俺達が出した答え。
「この1年の間、マネージャーのって面倒いな・・
地味子でええか」
そう言って俺はすばるくんを見た。
呼んで良い?と表情で尋ねれば、ニッコリと笑いながら
「地味子って呼んだらもう他の名前で呼べへんで」
「何それ中毒性あるん?」
「大倉、言うなら早よー言え」
「あっ、えーっと・・
地味子の存在に気付いてたヤツいるか?
記事が出るまで知らんやったのが地味子の決意の表れや。
エイターを大切に想って、動揺させたくなかった地味子の想いや。
こんな事が無かったら、ずっと存在をひたすら隠してたと思うんよー」
それ以上は言えへん。
これ以上、何か言ったら頼んでまう。
信じてくれって、認めてくれって・・
でも、それは違うと思うんや。
言いたい事言って、亮ちゃんに視線を向ける。
頷いた亮ちゃんは叫んだ。
「地味子どこやー!」
「おい、それ俺のセリフ!!」
「ええやん!俺、めっちゃ怒ってんねん!」
えっ?亮ちゃん?!
「俺ゆーたやろ!
何で自分の存在消すんや?!
もっとエイターを信じろ!
もっと関ジャニを信じろ!!」
えっ!待って、待って!!
「・・地味子っ!亮が泣いてるでっ!!」
ほんまや。
ほんま、泣いてるやん!
「だって、あの記者に目付けられたの俺のせいやろ?
NEWS脱退するって追っかけられた時のせいやろ?
地味子は悪くないねん。
女だから、女だから標的にされただけやのに事務所は何もしてくれへんで自分でこれ以上俺らに迷惑行かんよーに頑張って・・」
「あー、落ち着け亮!な、亮、泣くな」
「ヨコ場繋げ!」
「えっ?えーっと、あっ!目薬無いので困ってます」
「それ、ヨコが忘れただけやん!」
「ほんま、困ってんねん。
じゃ、すばる!」
亮ちゃんを慰めるためあたふたしてる俺達。
そんな中、1歩前に出たすばるくん。
これが正しいのかわからへん。
けどな、こんな暴挙起こしてもスタッフは誰も止めに入らん。
わかるか?
誰も止めへんのやで。