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俺らのマネは地味子さん。

第13章 TEN





ー大倉sideー


うわぉっ!
派手にやったな!

2日も我慢したんや。
すばるくんにしては、頑張った方や。



「大倉行くで」

やれやれと言う感じでステージに上がる信ちゃん。
でも、その口元は明らかに緩んでいた。


「すばる、お前うっさい!」


エイターの騒めく声。
マイクから聞こえる信ちゃんの声を固唾を飲んで聞いていた。


「ヒナ、返事せんねん」

「そう簡単にするわけねぇだろ!」


本番一発。
何がどうなるか俺たちですらわからない。
それでも俺は賭けてた。

守るにはエイターを味方に付けるしかないって。


「悪いな、みんな。
小さなおっさんが暴走して」


信ちゃんが場を繋ぐ間、メンバーが全員ステージへ上がる。
最後にマルちゃんが来て、揃った。

さぁ、始まるで俺たちが賭けた勝負が。




「あかんってゆーたんやけどな」

「地味子ーっ!
早ーっ、出て来いっ!!」

「だから、うっさいねん!」


信ちゃんのツッコミで漸く黙るすばるくん。


「実はな、みんなに話したい事あるんや。
知ってるヤツもいるかと思うが俺たちの口でハッキリ伝えたい」



そう切り出した信ちゃん。

あるがままの事実を言った。
何も隠してもいない、本当の事実。

白元さんさえ、俺らが知ってるって知らない事実。


どれだけ大切な仲間か。
どれだけエイターを大切にしていたか。
どれだけ自分の存在を隠していたか。

1年と少し、たったそれだけの期間やけど
かけがえの無い存在を俺たちはエイターのみんなに知って欲しかったんや。






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