第13章 TEN
ー白元sideー
初めて客席で見る生の関ジャニのコンサート。
歌番組で見たり聴いたりはしていたが、それとは明らかに違うこの空気。
感じて改めて思った。
コレを守って良かったって。
本当に本当に、そう思ったんだ。
セットリストの予定では、アンコール2曲で終了の予定だった。
鳴り止まないエイター達のアンコールの声。
私は、ぼんやりとそれを眺めていた。
「「きゃーーーっ!!」」
えっ?どうして?
もう出てこないはずなのに、ステージには渋谷さんの姿。
1人マイクを持ったまま歩いて来る。
時間!!
慌てて時計を確認すると予定終了時刻ギリギリ。
スタッフは何してるの?
山田さんは?
歓喜するエイターの中で私は、狼狽えていた。
頭の中では苦情の処理などするべき事が駆け巡る。
「じーみーこーーぉぅ!
どーーこぉーーやぁーーーっっ!!」
「はぁ?」
思わず出た言葉。
私だけではない、歓喜していたエイター達も何が起こったのかとポカンと口を開いたまま渋谷さんを見つめていた。
「地味子っっっ!!!
いたら返事せいーーーぃっ!!」
待って。
待って!
本当に、待って!!
一体渋谷さんは何を叫んでるの?!
まさかとは思うけど、そのまさかなの?!!