第4章 松奥〜F6十四松〜
——翌朝
「十四松、媚薬はどうでしたか?」
渡り廊下を歩いていたら、チョロ松兄さんと出くわした。
「うん、すっごいぐっちょんぐっちょんだったよ」
「そそそ、そうですか…それはよかった」
眼鏡をくいと上げてるけど、動揺を隠しきれていない。
兄さんもイケメンなんだから、早く女の子を知ればいいのにね。
「チョロも媚薬使って童貞を捨てたらどうかな?」
「い、いや、僕は…その」
「チョロ松様、十四松様、おはようございます」
昨晩の妖艶さなんて微塵も感じさせない、無垢な笑顔の主が、嬉しそうに挨拶してきた。
「チャオ、主」
「お、おはよう」
ちょっとイタズラしたくなっちゃった。
ぼくはチョロ松兄さんに聞こえるよう、主に大きめな声で耳打ちする。
「主、チョロがね、今度三人で夜伽を望んでいるよ」
「えぇっ!?」
「お、おまっ!?何言っちゃってんの!?て、すすすすみません主さん!私は別にアナルが嫌なわけではなく、三人だと前戯に集中出来かねるというかなんというか」
「さ、左様でございますか…」
「あははっ!チョロが呆けちゃった!」
主とぼくの子供、きっと可愛いんだろうな。
その日が来るのが待ち遠しいよ。
だから毎晩愛し合おう。
ね?主。
——完——