第1章 家庭教師〜チョロ松〜
これは誰にも言ってない秘密の話なんだけど…。
小さな頃から、チョロ松お兄ちゃんに淡い恋心を抱いていた。
真面目で頼りになるのに、何処か抜けている所が可愛くて愛しくて、ちょっかい出したくて堪らなくなるのだ。
今日の私の服装は、デコルテの開いたカットソーとミニスカート。
私はコップにお茶を注ぎ、見えるように脚を組んで、少し胸を寄せながらコップを渡した。
「どーぞ」
「ど、どうも」
だけど目は合わず、ゴクゴクとお茶を一気飲みしている。
ワザと露出度の高い服を着て誘ってるのに、お兄ちゃんはちっとも手を出してくれない。
恥ずかしくても、少しでも女として見て欲しくて柄にも無いことしてるのに…。
(私って…魅力無いのかな)
自分の太腿を見ながらシュンとしていると、
「あの、主ちゃん、ティッシュくれない?」
「え?……って鼻血!?」
どうやら、そんなことなかったみたい。