第11章 リクエスト作品 ハニーに首ったけ〜カラ松〜
「十四松くんは野球のユニフォームが似合う」
「素振ぅりーーからのーートスバッティーーング!!」
「トド松くんは流行に敏感」
「わーい!今度一緒にカフェ巡りしよ!」
「う…っ、く…」
ハートがギュウギュウに締め付けられ、呼吸するのすら辛くなってきた。
ただ褒めているだけなのに、ハニーの心が離れていくような錯覚に陥る。と同時に、独占欲が膨れ上がって今にも爆発しそうだ。
なるほど。
"ブラザーを褒め殺すハニー責め"か。
なんて恐ろしい罰ゲームなんだ。古より伝わる拷問の一種なんじゃないか?
嫉妬というものはこんなにも心をズタズタにするものなのか。
「2人とも個性が強い」
「2人ともいい弟」
「2人とも釣り上手」
崩れ落ちるオレの前でブラザー達は握手したりハグしあっている。普段褒められるのとは無縁な人生を送っている分喜びは相当なものだろう。
「もう褒めるワード思いつかないから次で最後ね」
すう、と軽く深呼吸し、
「2人ともカッコいー!」
照れながらハニーはそう言い放った。
歓喜の舞を披露するブラザー達。
「ボクカッコいいって十四松兄さん!」
「ぼくもカッコいいってトッティ!」
「えっと、あとはオマケで……2人とも一緒にいると楽しいし最高!カッコよくて可愛いくて面白いとか反則!万年モテ期!よっ、色男!!」
「ィーーーヤッフゥゥゥゥゥ!!」
「ばっちこーーーい!!」
……オマケが1番の大打撃なんだが。長いし。
(もういい。茶番はここまでだ…)
オレの中でプツリと何かが切れた。