第11章 リクエスト作品 ハニーに首ったけ〜カラ松〜
「ノー!そんなのオレはやらないやらないオレ!」
「は?負けた上に1匹も釣れなかったくせに口答えすんなし」
「そーだそーだ!ボゥエッ!」
「だ、だが…」
不機嫌を全面に出すブラザーに心が折れかけるが、ハニーにそんなハレンチな真似をさせるわけにはいかない。
とりあえずテキトーにカッコいいポーズを決めて、ご乱心なトッティを鎮めようと試みる。
髪をかきあげ顔を背け〜からの人差し指!
「フッ、そんな一方的に要求を突きつけられたって、おいそれとオーケー出来ないぜ」
「…じゃあなに?例えばどんな罰ならカラ松兄さんは甘受してくれんの?」
ため息混じりに、トド松。
おお…話がわかるじゃないか。さすがオレの血を分けたブラザー!
「そうだな——」
ウインクと指パッチンをトド松に飛ばす。
「ハニーとオレの夫婦漫才!」
「却下。それただのクソ寒い余興」
「ハニーとオレの二人羽織!」
「却下。そんなのイチャコラ見せつけられるだけだし」
「ハニーとオレの褒め殺し合い!」
「却下。それボクらが罰ゲームだから」
クッ…こんなに案を出してやってるのに気に入らないとは、
「なんたるワガママボーイなんだ!」
「いやお前だよ!?うーん、でも、あ、そーだっ!」
納得したように頷くと、
「じゃあ"褒め殺し"を取り入れた罰ゲームにしてあげる」
「おお!いいのか?トッティよ…!」
「うん。トッティ、みんながハッピーになるような罰ゲーム閃いちゃった♪」
罰ゲームでハッピー?矛盾してるがまぁいいだろう。こちらとしては好都合だ。心のないドライモンスターだと思っていたが、人としての心を失っていなかったようだな。
深く安堵したオレは、意気揚々とハニーを褒めるワードを頭に描き始める。
ハニーラビュー!ハニーは可愛い!ハニーはビューティフル!ハニーはセクシー!ハニーは髪がサラサラ!ハニーは肌がスベスベ!ハニーのおっぱいは絶品!ハニーの喘ぎ声は最高!ええと、あとはハニーのハニーがハニーだからハニーで………ハハッ、まいったなイマジネーションが止まんないぜ!
じゃあまずは…
「ハニーはいつもオレを「うるさい黙って」…え?」
冷たく突き放す絶対零度の声。