第2章 脳内遊戯〜一松〜
床下から隠していたエロ本を持ってきて、ティッシュを横に置く。ジャージとパンツを下げて準備万端。
お気に入りのスコティッシュフォールドイヤー(ドッグイヤーなんておれは認めない)したページを開けば、いつものようにエロく脚をM字に開いた猫耳メイドが、誘うような目つきでおれを見ている。
その子の顔を主とチェンジ。
ぶっかける妄想をしながら竿を握り、手をゆっくり上下に動かし始める。
いつもはそのまま数分シコって出して終わりなんだけど…
(……主!?)
目を瞑ったその時——頭ん中に猫耳メイド姿の主が現れた。
主猫耳メイドver.はあぐらをかいているおれに抱きつくと、トンとおれを押し倒す。
狼狽えるおれを嬉しそうに見下ろす瞳。
「なっ!?なんであんたが…!!」
「なんでって、ひどいなぁ」
主の首に巻かれたチョーカーは鈴がついていて、おれの首筋に顔を埋めるとコロンと涼しげな音を立てた。
「ぅ…あ…っ」
耳たぶの裏に柔らかな舌が這い、思わず声を漏らしてしまう。
「わたしでオナニーしようとしてたんでしょ?」
「ち、ちが…っ」
「うそつき。じゃなきゃわたし、一松くんに会いに来ないよ?」
「え…?」
なんだこのリアルな肉感、声、温もり、そしてこのSっ気は…。
目眩を覚えるほど興奮してきた。
たまらなくなっておっぱいに手を伸ばすと…
「はいダメー」
「っ!!」
急に目の前が黒に染まった。
「あの、何これ?」
「何ってアイマスクだよ。見られたら恥ずかしいもん」
視界を奪われたおれは強い衝動に駆られる。
焦らされたい、焦らされそして翻弄されたい。
まさかの目隠しプレイに心臓が早鐘というかもはや痙攣状態。
「一松くん。ほら、触って?」
「っおい、何を…!!」
プツプツとボタンが外れる音が聞こえ手を引かれると、むに、と手にマシュマロの触感がした。いや、マシュマロじゃないのは分かってるけど。
「…柔らかい」
質感を楽しむように両手で下から揉み上げる。
「あ…んっ、上手…一松くん」
うわ、エロ。褒められた。余裕なさげな声で上から目線とかクソエロい。
主はおれに跨りながら、吐息まじりに「もっと」とねだる。