第9章 リクエスト作品 オレがオレであるために〜カラ松〜
声の方を見やると、追いかけてきてくれたのか、少し呼吸が乱れたガールの姿があった。
「ふふっ、これで2回目ですね」
逆光で顔がよく見えないが、その声に心は打ち震える。
ええと、思考が追いつかないんだが、これは…!?
「財布、落としましたよ。向こうの交差点で」
どうやら、運命ってヤツは気まぐれらしい。
「あ、ありがとう」
「では」
きっとこれがラストチャンス。
「ちょっと待ってくれ!」
遠ざかる背中を声で捕まえた。
「はい?」
振り向いたマイサンシャインに、サングラスを外して心と瞳を真っ直ぐぶつける。
「オレは、松野…、松野カラ松!」
振り上げられた運命のダイス。
吉と出るか凶と出るかは己次第。
「よければ、財布の礼を……させてくれないか?」
届け、唸れ、オレの突撃ラブハート!!
この恋の続きは主様の心の中…。
——ありがとうございました!——