第2章 脳内遊戯〜一松〜
おれには行きつけのペットショップがある。
毎月22日はニャンニャンで猫の日だから、猫缶が特売日になるんだ。
そこの店員で、ずっと気になっている子がいた。
名前はyou主。
ふんわりした雰囲気で……可愛い子。動物の世話をしている時の優しげな瞳に一目惚れしてから、半年くらい片思いしていた。
その子とこの間なんやかんやあって、こんなゴミなんかをもっと知りたいだとか仲良くなりたいだなんて言ってくれてさ、猫カフェデートすることになったんだよね。
明日はついに猫カフェの日。猫カフェ初デート感謝デーだ。
…いや、ないな。ないって。よくよく考えたらこれ夢オチじゃね?おれが女子とデートとかありえないでしょ。
……確かめるか。
「いったぁぁあ!!なぜ今オレのまつ毛を抜いた!?しかも3本ーーっ!?」
「なんだ、現実か」
「意味が分からないぞブラザー!?フッ、そうか。パチンコに行きたくて遠回しに」
「さっさと消えろクソ…」
吐き捨てるようにそう言うと、クソ松はしぶしぶ部屋から出て行った。
…理不尽は百も承知だ。
明日のことを考えたら、パチンコでスってる場合じゃない。
ようやく、手鏡が割れる勢いで顔を眺めまくっていたクソがいなくなって1人になれた。