第6章 基礎は復習。
「…へー、本トに速いし本トに効くんだこのナイフ。細かく切って貼っつけてみたんだけど」
殺せんせーはかなりカルマ君から離れている。
「けどさぁ先生。こんな単純な『手』に引っかかるとか…しかもそんなとこまで飛び退くなんてビビり過ぎじゃね?」
皆が驚いて見つめていた。……マンガ通り、だ。
明らかに異彩を放っている。カルマ君が殺せんせーに近づき、ほぼ同じタイミングで殺せんせーは触手を復活させた。
「殺せないから『殺せんせー』って聞いてたけど」
「!」
殺せんせーが腰が引けてる……なんて初めてだ!
「あッれェ、せんせーひょっとしてチョロイひと?」
明らかに殺せんせーが怒っている。血管が浮き出ていて今にもキレそうだ。
茅野ちゃんが渚君に話しかけた。
「渚、私E組来てから日が浅いから知らないんだけど、彼どんなひとなの?」
「…うん。一年二年が同じクラスだったんだけど。二年の時続けざまに暴力沙汰で停学食らって。このE組にはそういう生徒も落とされるんだ」
渚君は少し言い迷ったようだけど、すぐに切り出した。
「でも…今この場じゃ優等生かも知れない」
「…? どういう事?」
カルマ君がポンッとナイフを宙に投げた。
「凶器とか騙し討ちの『基礎』なら…多分カルマ君が群を抜いてる」
カルマ君が操るナイフは、まるで意のままにサラサラと風をなぞった。
……これが、E組でも強い暗殺能力をもつ、赤羽業…………!!