第6章 基礎は復習。
「カルマ君…帰ってきたんだ」
渚君が笑顔で言う。
「よー、渚君久しぶり」
……赤羽業。暴力沙汰で停学になっていたイケメン。赤い髪をなびかせて丘の上に立っている。
「……すっかり忘れてた…」
E組主要メンバーとなる、赤髪の彼。
「わ、あれが例の殺せんせー? すっげ、本トにタコみたいだ」
カルマ君はズンズン校庭を歩いていく。初めて見る殺せんせーに驚く様子もない。黄色い皮膚に、触手が生えている体に驚かないのはすごいと思う。
「!」
そして殺せんせーの前でストップ。
「赤羽業君…ですね。今日が停学明けと聞いてました。初日から遅刻はいけませんねぇ」
「あはは、生活リズム戻らなくて」
二人の雰囲気は極めて和やか……だった。
「下の名前で気安く呼んでよ。とりあえずよろしく先生!!」
「こちらこそ、楽しい1年にして行きましょう」
2人が手を繋ぐ……刹那。
先生の触手がドロリと溶けた。すぐにカルマ君の腕の隙間からナイフが飛び出す。
このままだと刺さる……と思ったけど。
そんなことは無く殺せんせーはマッハで避けた。