第6章 基礎は復習。
「……あ、ありがとうございます……」
思わずホッと息をつく。
「京香ー! すごいよ!! 今のどうやってやったの!?」
みんなの驚きの声も賞賛の声も嬉しいけど、とりあえず疲れた……。
「見ろ、今の攻防の間に奴は」
私達は一斉に烏間先生が指さす先を見つめた。
「砂場に大阪城を造った上に着替えて茶まで立てている」
こちらをニヤニヤ見つめる先生。
少し遠いところで呆けている前原君と磯貝君の手を取りながら、烏間先生は、
「クラス全員が俺に当てられる位になれば少なくとも暗殺の成功率は格段に上がる」
と言った。
校舎からチャイムが聞こえる。授業の終わりの鐘だ。
「ナイフや狙撃、暗殺に必要な基礎の数々。体育の時間で俺から教えさせてもらう!」
私は肩の力を抜いた。
「……だあああああああ……」
私は疲労の声を出して茅野ちゃんにもたれかかった。
「京香、あれどうやってやったの?」
茅野ちゃんも落ち着いたらしく、笑顔で聞いてくる。
「あー…最近練習しててさ。予習の成果…かな?」
「京香、すごかったじゃーん」
「あ、莉桜ちゃん! ありがとー」
この力で、私はE組の力になりたい。
少しずつ強くなれるかな。