第4章 訓練と野球のお時間!
「おやおや東尾さん。君も課題ですか?」
「はい…文法は得意じゃないけど」
シュバっという効果音をつけて高速丸つけする殺せんせー。
「ペン食べないでくださいね。それ私のなので」
「ニュヤッ!? さっきの見てたのですか!?」
「うん、なんかタイミング合っちゃって。……やっぱり殺せんせーはいい先生だね」
ポロリと、思ったことを口にした。
「ヌルフフフ、私は地球を破壊するんですよ?」
うん……それは確かにそうなんだけど。
「……うん、それでもやっぱりいい先生だよ」
「ヌルフフフフフフフフ、先生冥利につきますねぇ」
フフフフフの数多い…
嬉しいとフフフの数も増えるのかな。
返ってきたノートを見ると、やっぱりペナルティはあった。
「……微妙に嬉しくないペナルティだね」
「それやっぱりペナルティに認めちゃうんですか!? 先生はボーナスのつもりでやってるのに!」
触手についての問題は知らないことも多いし……てかなんだこの問題。
「……やっぱり殺せんせーは生徒心を分かってない」
「えええ!? 何ですかそれ!! 東尾さん!? ちょっと東尾さーん!?」
殺せんせーに背を向けたから分からなかったと思うけど、私は笑っていた。
私の手元には触手についての俳句の問題があった。
『最後の言葉を触手うつくしでおさめなさい』
「……ふふ」
こんな難題みたことない。
私は思わずこみ上げる笑いを抑えて、教室に帰った。