第3章 第1話は諦めと共に。
「なっ…何なんだよテメェ…迷惑なんだよォ!! いきなり来て地球爆破しろとか暗殺しろとか…迷惑な奴に迷惑な殺し方して何が悪いんだよォ!!」
寺坂が泣きながら叫んだ。
「迷惑? とんでもない」
殺せんせーはいつもの黄色い顔…+丸いマークを浮かべて笑った。
「君達のアイディア自体はすごく良かった」
そして触手を伸ばし、渚君の頭を撫でた。
「特に渚君。君の肉迫までの自然な体運びは百点です。先生は見事に隙を突かれました」
「…………!!」
「ただし!」
と前置いて殺せんせーはバッテンマークを顔に浮かべた。
「寺坂君達は渚君を、渚君は自分を大切にしなかった」
「…!!」
「そんな生徒に暗殺する資格はありません!」
殺せんせーはクルリと私達の方を向いて言った。
「人に笑顔で胸を張れる暗殺をしましょう。君達全員、それが出来る力を秘めた有能な暗殺者だ。暗殺対象である先生からの、アドバイスです」
…先生は、先生らしくアドバイスをした。
火薬の煙が香る教室。
先生は教卓に燻っていた火薬の残り火に目をやった。
さり気なく潰すその目にうつるのは……
「…さて問題です渚君。
先生は殺される気などみじんも無い。
皆さんと3月まで地球をエンジョイしてから地球を爆破です。
それが嫌なら君達はどうしますか?」
そう、その答えはいつも。
「…その前に、先生を殺します」
暗殺教室での、私達共通の答え。
横縞の模様を浮かべ、殺せんせーは笑った。