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【トリップ】全てを知っている私が!【暗殺教室】

第27章 夏の一時



「……ある、の?」

「………ない、みたい」


私は工場と化した志望校を見上げた。

言葉にしないようにため息を吐く。


「次、いくよ!」
「……京香、無理してない?」

イリーナ先生がこちらを気遣うように聞いてきた。

「…流石、世界随一のハニートラッパーだね」
「ふん、違うわよ。…心配、してるのよ」

……心配か…。イリーナ先生もだいぶ人らしく、というかなんというか。

「…予想は…出来てたから。それに、今ここにはイリーナ先生がいるし、私の世界はここじゃ…ないから」

私の世界はここじゃない、の所で少し胸がつかえる。

「……そうね……で、次どこいくの?」
「…っつっても4キロ圏内公園じゃーな…帰る?」
「な、何で私に聞くのよ!!」
「だってさ…ん?」

私は工場の近くにある用水路を覗きこんだ。

「……何よ、ドブ川見つめたりなんかして」
「いや…この川は、あったから」

私の志望高校の前に…

「うん、同じ場所だ」

少し錆びれた欄干をギシ、と掴む。
建つ建物が変わっても、川や土地や…空だけは変わらずにここにある。

「…大丈夫」
「ほ、ほんと?」
「何か…元気でたかも」

きっと、戻っても変わらない。


「よーし、そうめん食うぞー!!」
「そ、そうね!! カラスマも呼んで食べるわよ!!」

帰ろう。今の私の家に!





その夜のそうめんパーティのことは言うまでもなく盛り上がった。烏間先生は忙しそうだったけど何だかんだ深夜までいてくれたし、そんな烏間先生を酒で潰そうとイリーナ先生は奮闘していた。まあ潰れなかったんだけど。というか私がその酒間違えて1口飲んで潰れたんだけど。



そして……。



次の日。怒涛の沖縄旅行が幕を開ける。


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