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【トリップ】全てを知っている私が!【暗殺教室】

第25章 期末テストは個人戦!?



そこにいたのは箱(2次元)の中にいるはずの律……と同じ髪型の人。
(誰?)という表情の渚君と莉桜を隣で見る。

「『律役』だ」

後ろから烏間先生が声をかけてきた。
「烏間先生」
「さすがに理事長から人工知能の参加は許されなくてな。ネット授業で律が教えた替え玉を使う事でなんとか決着した」

そうか、律っていつもいるから忘れちゃうけど超有能な人工知能なんだよな……
しかし烏間先生はそうも割り切れなかったようだ。

「交渉の時の理事長に、『大変だなコイツも』…という哀れみの目を向けられた俺の気持ちが君達にわかるか」
そんな烏間先生に渚君と莉桜は慌て気味で頭を下げた。烏間先生は恥ずかしさみたいなものでプルプル震えてる。一応私も頭を下げると、烏間先生は恥ずかしさを溜飲して表情を抑えた。

「律と合わせて俺からも伝えておこう。頑張れよ」
「…はい!!」

渚君は爽やかな笑顔でそう言った。
渚君と莉桜ちゃんが烏間先生に背を向け、自分の席へと目を向ける。

その隙を見て私は烏間先生にこっそり耳打ちした。
「烏間先生、テストの点数良かったら家で一緒にご飯食べましょう」

烏間先生はたまに私が借りてる部屋に来てもゆっくりしない。それはまあ生徒と先生だからなのかもしれないけど、それよりもまず忙しいからだ。気付けば学校、気付けば防衛省。……ゆっくりしてほしい。私のテストにかこつけてもいいから。
私は少し高い位置にある烏間先生の目を見つめた。

「……約束しよう。ただし、君のテストの点数が悪くても、だ。そんな事は起こりえないと思うがな」

……烏間先生……

「はい! 全力を尽くします!」

烏間先生にふざけて小さく敬礼すると、角度がなってない、と頭を小突かれた。……ほんとの隊員だったらもっと怒られてるんだろうな……。
私は烏間先生に会釈して渚君や莉桜と同じように自分の席に向かった。



7時45分、旧校舎よりも少し早い(気がする)チャイムが鳴った。

テスト用紙がパラパラと配られる。


……この期末テスト、渚君はどうやって表現してたんだっけ。こう考える以上案外緊張はしていない。ただ、色んなものと闘うだけ。


……そうだ、確か……1人で受けるはずの試験が、何人も同じ舞台にいるのがわかる。一緒に戦ったり、敵になったり、応援や野次を飛ばす人達も。

3年E組は暗殺教室。私達は殺し屋。
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