第23章 裏切りは静かに火を燃やす
「のん気に言ってんじゃねーよ寺坂!! 原たちあれマジで危険だぞ!! おまえひょっとして…今回の事全部奴等に操られてたのかよ!?」
「……フン」
前原くんの言葉に寺坂は鼻で笑った。
「あーそうだよ。目標もビジョンも無ぇ短絡的な奴は…頭の良い奴に操られる運命なんだよ。
だがよ、操られる相手ぐらいは選びてぇ」
寺坂の言葉に皆が聞き入る。
「奴等はこりごりだ。賞金持って行かれんのもやっぱり気に入らねぇ」
奴等、の方で無意識にシロとイトナ君の方を見た。
……後で、私も話したいな、あいつらと。
「だからカルマ! テメーが俺を操ってみろや」
ドンッ、と寺坂がカルマ君の胸元を叩く。
……さっきまでは掴んでたのに、信頼の証みたい。
「その狡猾なオツムで俺に作戦与えてみろ!! カンペキに実行してあそこにいるのを助けてやらァ!!」
「良いけど…実行できんの俺の作戦? 死ぬかもよ」
カルマ君も寺坂の言葉を聞き、ニヤリと笑って応酬。
「やってやンよ。こちとら実績持ってる実行犯だぜ」
ザッと歩いて威厳よく歩き出す。
「え、まだ作戦考えてないけどもう行くの?」
「え、あ、うん、まだなの!?」
……さっきまでカッコよかったのに……
私は少しの笑いを含んでため息をついた。