第1章 まさか!私がトリップ!!?
1限にはギリギリ間に合って、私達は息を切らしながら席についた。
「は〜お疲れ様〜」
「う、うん…」
少し頬を赤くし、はぁ、と息をつく菜津とは対照的に私は全力で死にそうだ…
やっぱりマッハとか言うんじゃなかった……
「1限の準備しないとー…………あ〜菜津はやすぎ…」
独り言を聞かれたのか、菜津が笑顔で近づいてきた。
「まあ陸上部部長でしたからねっ! もう部活終わって半年近く経つけどまだまだいけるよ〜」
「絶対菜津後輩達から言われてるよ、『イメージと違う』ってね」
「まあそう言う子にはビシバシ鍛えますけどね!」
「ごめんってば! 私陸上部じゃないしっ!」
「暗殺教室読んで寝坊した人には言われたくないなあ。あと、1限の準備だけど……筆記用具だけだよ」
「え、なんで?」
「だって今日、テストじゃない」
「あーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
すっかり忘れてたテスト。
放心状態のまま先生が入ってきて慌てて筆記用具を用意した。