第18章 もう1人の転校生、堀部イトナ
「…さて、君の周りにはこんなにいい友達、仲間がいっぱいいます。これでも学校に来ませんか?」
……いつものように、煽ってくる。
これが私の担任だ。
「……行くに決まってるでしょ、殺せんせー。私はいつか、家族の元に帰るけど……」
私は軽く首を振って笑った。
「それまでは、殺せんせーが私の担任で、皆が私のクラスメイトだよ。
きっと離れても、変わらない。みんなは私の大事な人で、もちろん殺せんせーも、私の大事な人なのは変わらない」
皆は静かにうなずいてくれた。
「あと、もしも部屋に来るなら、ちゃんと言ってね」
「え?」
茅野ちゃんがポカンと口を開けた。
「だ〜か〜ら! ……来て、いいよ」
茅野ちゃんは一瞬考え込んだあと、パッと花が咲くように笑った。
殺せんせーは横で浮きながら、うんうんと頷いている。
私は殺せんせーに向かってぺこりとお辞儀をした。
……そうだよ。
きっと、変わらない。
皆が私の大事な人なのは。
でも、それと同じで、私は家族やあちらの友達のことも、大事な人だと思ってるんだ。
……ありがとう、背中を押してくれて。
私は目元を細めた。