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【トリップ】全てを知っている私が!【暗殺教室】

第18章 もう1人の転校生、堀部イトナ




「おはよーございまーす」
「はいおはようございます」
いつも通りの挨拶は、雨の中。まだまだ梅雨は終わらないみたいだ。

「烏間先生から転校生が来ると聞いていますね?」
「あーうん。まあぶっちゃけ殺し屋だろうね」

……この会話は……堀部イトナ君転校の回か。
私たちに危険はないけど、まあ少し気をつけた方が良いだろう。


「律さんの時は少し甘く見て痛い目を見ましたからね。先生も今回は油断しませんよ」
そう言う殺せんせーに律はころころと笑った。
「いずれにせよ、皆さんになかまが増えるのは嬉しい事です」
ぷにん、と触手を合わせる殺せんせーは本当に嬉しそうだ。

「そーいや律、何か聞いてないの?同じ転校生暗殺者として」
原さんがそういうと、律は暴力的なまでに整っている顔で微笑んだ。
「はい、少しだけ。
初期命令では…私と『彼』の同時投入の予定でした。私が遠距離攻撃、彼が肉薄攻撃。連携して殺せんせーを追いつめると」


もしもそれが実現していたならば……この暗殺は100%成功だっただろう。何せ律だけで90%なのだから。


「ですが…2つの理由でその命令はキャンセルされました」
「へぇ…理由は?」
「ひとつは彼の調整に予定より時間がかかったから」

律はそこで一旦言葉を切った。

そして、思い切ったかのようで……淡々と切り出した。



「もうひとつは、私が彼より暗殺者として圧倒的に劣っていたから」



みんなが息を呑むのが分かる。
「私の性能では…彼のサポートをつとめるには力不足だと」
律は悲しそうに下を向いた。
これを聞いた時、律の開発者はどう思ったんだろうな。……いやきっとキレたんだろうな。

「そこで、各自単独で暗殺を開始する事になり、重要度の下がった私から送りこまれたと聞いています」
教室は妙な空気になった。

律は殺せんせーの指を飛ばしている。
私達のなかで殺せんせーの体の一部に弾やナイフを当てられたのは、律とカルマ君だけだ。カルマ君は騙し打ちで、律は技術で。
2ヶ月で2人しか当てられていない。その内の1人が……『圧倒的に劣っている』と言われるほど。

……普通なら有り得ない。

もう1人の転校生、堀部イトナはそれだけの期待値を持っているのだろう。

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