第2章 転校してきました!
教室に帰ると皆がこちらを見て何か話している。
私は構わず着席した。
そうだ、嫌いになられる位が丁度いい。そしたら帰る方法がわかった時何も悲しまずに帰れるもん。
……と、思っていたのだけども。
「あ、あの、東尾さん」
「……? 奥田さん、どうかしましたか?」
「あの、前原くん多分E組に落とされてイライラしてるんです…なので、怒らないであげてください。本当は優しい人なんです…」
奥田さん…………。
「…うん、怒ってないよ。私も何故か始業式の次の日に転校してくるとか…色々不自然な事多かったもんね。ありがとう、話し掛けてくれて」
「……!」
奥田さんはちょっと驚いた顔をしたあと、ニコッと笑った。
「よかったです……! ちょっと不安だったんですけど、東尾さんも優しい人で……!」
う、わぁっ……
か、可愛い…
現実だと思うとより可愛い…………
「奥田さ〜ん! と転校生さん!」
「あっ茅野さん!」
わ、わあ!! ヒロインの茅野カエデちゃん!
「こんにちは! 私茅野カエデっていうんだ! 私も昨日転校してきたの〜! お仲間だね!」
「こ、こんにちは……! 私は東尾京香っていいます!」
軽く自己紹介をして私は茅野ちゃんの顔を見つめた。
……こっちも可愛い顔してる……
なんで私トリップしたのに全く顔も変わらないしスペックも変わらないんだろうか?
神様、ちょっと位可愛くしてくれても良かったのに! (会ったことも話したこともないけど)
「いや〜東尾さん怖いなって思ったけど話すと普通だねえ」
「そんな怖いって思われてた!?」
「だってなんか…オーラ??」
「ひどいよもう! まあ確かに家庭の事情ってやつで転校は遅れたけどさ!」
「その家庭の事情って?」
!!?
すごい切り込んできた!!