第14章 自律思考固定砲台の転校生
「……スマホ…ですか?」
ある日の午前中、烏間先生とイリーナ先生が私の家を訪れた。
「ああ、うちのクラスは全員持っていたから忘れていたが…君は持っていなかったな」
「そんな…この部屋の家賃も全部烏間先生に払ってもらってるのに…」
私はかなり驚いた、と同時に罪悪感を感じた。
「部屋、スッキリしてるわねえ。ポイント高いわ」
「何のポイントですかイリーナ先生」
だってすぐ帰れると思ったんだもん…こちらでたくさんの物を買っても、無駄になるだけだ。
「安物ですまないが……」
とスマホを差し出してくる烏間先生。
「えっもう買ってきたんですか…っていうか契約してきたんですか!?」
「それに俺が払ってるわけじゃない。全て防衛省だ」
「でも……」
防衛省と私を繋いでくれてるのは、烏間先生だ。
「カラスマがあげるっていうんだから貰っときなさいよお」
イリーナ先生がけだるげに言った。
「……そうだね、ありがとう、烏間先生!」
私はスマホを手に取って笑った。