第2章 転校してきました!
「東尾さん、おはようございます!」
「せ、先生!」
殺せんせーがニコニコしながら問題を作っていた。もちろん見えないスピードで触手を振り回しながら。
「早速問題作ってるんですか?」
「ええそうですよ。一人ひとりに合わせてね。昨日少し問題を解いてもらったので。東尾さんの問題はまだ作れませんが……」
「あは、あはは、あの、私頭良くないのでお手柔らかにお願いします」
「ヌルフフフ、それはどうでしょうねえ」
不敵に笑う殺せんせー。
「あぁ、忘れてました。これが対先生用ナイフと銃です。ナイフは柔らかいですが、銃は目に入ると普通の人でも痛いので気をつけるように!」
丁寧に布に包まれたものをそっと見る。
「わ、ぁ…………!」
これはグッズ展開がされてなかったから新鮮だ……!
「ありがとう、ございます…お世話になります」
「いえいえ、むしろ東尾さんも気をつけて下さいね」
「え?」
何に気をつければいいんだろう……。
「この時期の転校生、しかも始業式の次の日の。殺し屋だと疑われているかもしれませんから」
「……!」
そうだ。
この後に入ってくるイリーナイェラビッチ先生のように、律ちゃんのように、イトナ君の様に……!
「殺し屋だと疑われる、ですか…」
あんまり目立ちたくない。
この世界に本当はいない存在の私。
出来るだけ目立たず、サラッと帰らなければならない、のに…
「……頑張ります」
「ええ。ではそろそろ時間ですよ。生徒も揃っているでしょうし、行きましょう」
「…はい」