第13章 修学旅行の時間!
「ほら、イケメンだと名高いカルマ君と隣の席だし、杉野くんともよく話してるじゃん!」
茅野ちゃんがそう言っているのも、うまく聞こえなかった。
思い出していたのは、ずいぶん前の烏間先生の言葉。
『帰りたくない理由』。
地球爆破よりは、とても小さい…小さい悩み。
でも、私にとっては、『帰りたいけど帰りたくない理由』にふさわしい、悩み。
「…私、前の学校で好きな人いたんだよねえ…」
無意識に、そんな言葉を零していた。
「え、そうなの!? 誰!?」
「……あっ」
思わず正気に戻る。
「……茅野ちゃんは知らないでしょっ」
「う〜、まあそうだけど!」
「恋バナならビッチ先生じゃない!?」
「呼ぼーよ!」
皆がまたバタバタと動き出す。
……うん、多分。
烏間先生にそう見えたのは、それしか理由がないと思うんだ。
そういえば、あれも修学旅行の出来事だったっけ。
……やめよう。
私は自分の止め、皆の会話に再度入った。