第13章 修学旅行の時間!
「渚、班の人数そろった?」
「片岡さん」
渚君に話しかけたのはこのクラス一番のイケメンといっても過言では無いイケメグだ。
「決まったら学級委員の私か磯貝君に伝えてね」
「……班?」
「班ってもしかしてさ」
渚君の言葉に続けて私が言うと、茅野ちゃんが笑顔で冊子を取り出した。
「忘れたの? 来週の修学旅行よ」
といって笑った。
椚ヶ丘中学校の修学旅行はこの時期らしい。
私は体育祭が五月の学校だったから修学旅行は六月後半だったな、なんてもう懐かしい思い出。
「まったく…3年生も始まったばかりのこの時期に、総決算の修学旅行とは片腹痛い」
殺せんせーが汗まみれでいう背後には、とんでもなくデカイリュック……リュック?がある。
「先生あまり気乗りしません」
「ウキウキじゃねーか!!」
……うん、荷物多すぎるよ。
「たかだか修学旅行に荷物デカすぎ!!」
「明らかに必要無い物入ってるし!!」
みんなに追求された殺せんせーは、珍しく恥ずかしそうに頬を染めた。
「…バレましたか。正直先生、君達との旅行が楽しみで仕方ないです」
流石3年生。
テストに修学旅行に進路決定に大忙しだ。
一応2回目だけど、やっぱり楽しみだなあ。
私は緩む頬を押さえることが出来なかった。