第12章 初めてのテストは竜巻と共に
スッと風がやんだ。
と同時に上から土や石、木だったものがおちてくる。
近くにいたと思ってた殺せんせーは、だいぶ遠くへ行っていた。
「……校庭に雑草や凸凹が多かったのでね。少し手入れしておきました」
そう言った周りには、凸凹していた石や土も、邪魔だった雑草もない。
「先生は地球を消せる超生物。この一帯を平らにするなどたやすい事です」
殺せんせーの顔は黒みがかった黄色。
ど怒り直前だ。
「もしも君達が自信を持てる第二の刃を示せなければ。
相手に値する暗殺者はこの教室にはいないと見なし、校舎ごと平らにして先生は去ります」
「第二の刃…いつまでに?」
渚君が恐る恐る切り出すと、殺せんせーは笑顔で言った。
「決まっています。明日です。
明日の中間テスト、クラス全員50位以内を取りなさい」
殺せんせーは、自分の顔に50という数字を浮かべて笑った。
さすがに驚く皆。50位といえば……本校舎復帰の条件だ。
「君達の第二の刃は先生が既に育てています。本校舎の教師達に劣るほど…先生はトロい教え方をしていません。
自信を持ってその刃を振るって来なさい。
ミッションを成功させ、恥じる事なく笑顔で胸を張るのです。
自分達がアサシンであり…E組である事に!!」
……E組である事に、誇りを持てと殺せんせーは言った。
でもクラス全員50位以内なんて、正直無理だ。
なんてったってここは進学校。
全国にも名高い、椚ヶ丘中学校。
問題はほぼ予測不可能だし、普通の学校で普通だった私には無理ゲーに近い。
それに……私と、理事長と、本校舎の子……つまり、E組以外が分かること。