第12章 初めてのテストは竜巻と共に
いつものチャイムが鳴った……と同時に。
「さて、始めましょうか」
ハチマキを頭にまいた殺せんせーが颯爽と登場した。
「学校の中間テストが迫ってきました」
「そうそう」
「そんなわけでこの時間は」
「高速強化テスト勉強をおこないます」
「先生の分身が1人ずつマンツーマンで」
「それぞれの苦手科目を徹底して復習します」
先生の分身が相槌をうちながら交代交代で言葉をいう。
……さすがにビビるわ。
「下らね…ご丁寧に強科別にハチマキとか」
若干げんなり言った寺坂は、自分の前にいる殺せんせーが強科別のハチマキではなくNARUTOのハチマキを巻いていることに気がついた。
「何で俺だけNARUTOなんだよ!!」
「寺坂君は特別コースです。苦手科目が複数ありますからねぇ」
私の前に来たのは……『国』の先生だ。
「ヌルフフフ、東尾さんは古典だけですから大丈夫。頑張りましょう」
「は、はい……」
こんなに分身できるのは……いや、知ってたけど。知ってても壮観だなあ。
「うわっ!!!」
すっと視線を戻すと殺せんせーの顔がとんでもなく……曲がって(?)いた。