第11章 集会。
「え、集会?」
私と茅野ちゃんは素っ頓狂な声を出した。
「そ、集会」
「茅野と東尾さんは転校してきたばっかりだから知らないよね」
杉野くんと渚君がうなずきながら答えてくれた。
…いや、知っています。
ただ今日集会をやることを知らなかっただけです…。
「うん、知らなかった。……で、何でみんな嫌そうなの?」
茅野ちゃんがきょとんと言う。
「……まあ、E組の扱いは変わらない、集会でもね」
「差別…ってこと?」
茅野ちゃんは恐る恐るといった様子。
「うわ、タチ悪っ!」
私は顔を顰めて言った。
「すごいバッサリだね東尾さん」
「そこが東尾さんのいーところじゃーん。ま、俺は集会出ないけど」
カルマ君はにこやかに言ったが、内容は堂々サボりだ。
「出ないの!?」
「こんなんで罰くらっても痛くも痒くもないよ」
「僕は羨ましいよ……」
渚君が半分げんなり、半分羨ましそうにカルマ君を眺める。
「……あ、その集会、私は後から行く…と思う。」
「え、何で?」
「いや実は…私、理事長に会ったことないんだよね。だから烏間先生と挨拶しに行くことになって……」
「会ったことないの!?」
茅野ちゃんが驚きの目でこちらを見る。
マンガやアニメで見たことはあるんだけど……
「まあ、ね。だから後から行くわ。磯貝くんと片岡さんに伝えといて」
「わ、わかりましたっ!」
「ありがと愛美ちゃん」
……こう見えてまあまあ気が重い。
私は防衛省たっての願いということでE組に入った。だから余程暗殺に向いてると思われてる…はず……。
……残念ながら練習の機会は多いけどほとんど実力は同じです…とは言えない。
どうやって辻褄合わせしようか。
私は専らそれに悩んでいたのであった。