第1章 まさか!私がトリップ!!?
「パラレルワールド…ですか?」
殺せんせーは少し驚いたように、でも笑顔は崩さずに言った。
「バカバカしい、いきなり何の話だっていうんだ」
烏間先生はため息をつきながらそうつぶやく。
「すみません、ほんとにすみません…
でも、私二人の…名前を知ってるんです。あなた達は……私が住んでた世界では『暗殺教室』という作品になってるんです」
「ニュヤ!!?」
「そんなの信じられるわけないだろう!」
半ば叫ぶように否定する烏間先生。
「ウソじゃないんですってば!! その証拠に多分私はこの世界に家はおろか戸籍もないでしょうし!! 烏間惟臣さん! 信用してください! 防衛省のエリートさん!!」
「な、なぜ知って……!?」
「私が『暗殺教室』が大好きでよく読んでいたからです。とにかく信じてください!」
少なくとも私に今家はないんだ!!! 困る! それは困る!!!!!
「……あなたの名前は?」
殺せんせーがニコニコしながらこちらを向いて言った。
「東尾……東尾京香です」
「東尾さん。あなたの世界では…その『暗殺教室』は完結してますか?」
穏やかな笑顔をみて、私は少しずつ落ち着きを取り戻して言った。
「……はい。私がいた時間の、半年前に…………」