第10章 巨乳は味方か敵か
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ビッチ先生が紙とタブレットを見比べて計画の準備をしている。……一応授業のはずなんだけどもね。
「なービッチねえさん。授業してくれよー」
前原くんが容赦なく言う。それに賛同する皆。
「そーだよビッチねえさん」
「一応ここじゃ先生なんだろビッチねえさん」
「あー!! ビッチビッチうるさいわね!!」
……でも、不器用なだけで性格はもうここから出てるんだよなあ。私は笑いをこらえきれずふっと声を出した。
「まず正確な発音が違う!! あんたら日本人はBとVの区別もつかないのね!! 正しいVの発音を教えたげるわ。まず歯で下唇を軽く噛む!! ほら!!」
みんなは言われた通り軽く噛む。私はとりあえずしなかった。
「…そう。そのまま1時間過ごしてれば静かでいいわ」
…なんだこの授業!? と全員のツッコミが脳内で入るのが分かる……。こりゃ授業崩壊するのも早いわ、ビッチ先生。
私はシャーペンを軽く持ち直してビッチ先生を眺めた。