第8章 毒は不器用。
湯気。
そしてため息をつく先生。
その体はデロデロに溶けている。
流石に……知っててもビックリだ。
「君に作ってもらったのはね、先生の細胞を活性化させて流動性を増す薬なのです」
殺せんせーの体がマッハで動く。
片岡さんの机に入った殺せんせーはドヤ顔で、
「液状ゆえに、どんなスキ間も入り込む事が可能に!! しかもスピードはそのままに!! さぁ殺ってみなさい」
というが早いがマッハで飛んだ。
いろんな隙間に入り込み、流れるように天井を這う。
私も1度は銃を向けたが……すぐに諦めた。
「ちょっ…無理無理これ無理!! 床とか天井に潜り込まれちゃ狙いようないって!!」
「なんだこのはぐれ先生!!」
ズドドドド、とけたたましい音を立てるわりに滑らかに動く。
こりゃ……無理だ!
一通り動き回った殺せんせーは、四隅の天井につーんと居座った。