第7章 赤髪の彼の手入れは長い。
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「ねぇねぇ渚君」
殺せんせーとの争いを一通り終えたのか、カルマ君がこちらを向いた。
「どうしたのカルマ君」
「さっき東尾さんが叫んだ気がしたんだけど…気のせい?」
「気のせいじゃないよ」
「へぇ〜あんな大人しい顔してんのにすっげぇ叫び声だったね」
カルマ君はこらえられないようにクックと笑った。
「東尾さんは…何かあった時に何かしてくれそうな予感がして連れてきたんだよね」
「だろーね。渚君、嘘そんな得意じゃないし」
「うっ…」
僕は身に覚えがあるので肩をすくませた。
「……まあでも、渚君の予感は結構当たるからな。この先東尾さん、何かするんじゃない?」
「え?」
僕はカルマ君を見た。カルマ君は東尾さんが走り去った方を見ている。
「なんか……とんでもない嵐が来た気がするよ」
カルマ君の薄い目は、まるでこの後の事を予言しているかのようだ。
「……一番の嵐が言わないでよ、それ」
僕は笑ってカルマ君の背中を軽く叩いた。
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