第1章 まさか!私がトリップ!!?
2017年1月某日ー…
「京香! 早く起きて!」
「う、ううん……?」
お母さんの声が遠くから聞こえる。
えーとえーと……私は何をしてたんだっけ。
そうだ、昨日はテスト前だってのにまた暗殺教室全巻読んじゃったんだ…。
それで最後まで読んで…その後公式ファンブックの…アレ、あー名前が出てこない…を読んでる最中…で記憶がなくなって……多分寝た、のかな…。
「もう! いつまで寝てるの!」
「うっひゃあ!!」
今は冬。思い切り布団をめくられ外の寒気が一気に入ってくる。
「もう、お母さんやめてよ!!」
「だって菜津ちゃん来ちゃったのよ!」
「…え!!?」
「おはよ〜キョーカ!」
玄関の方から聞こえてくるのは確かに菜津の声だ。
「ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!? もうそんな時間!!?」
「そうよ!」
「大ピンチっ!!」
急いで着替えて1階へ駆け下りる。
「ご飯今日何っ!?」
「急いでるなら卵かけ御飯にしちゃうけどー」
「それでいいっ! それでいいからっ!」
慌てて髪の毛を整え、テーブルにつく。
「もうまだ〜? 先行っちゃうよ?」
「ごめんってば! 菜津待ってて〜〜!!」
半泣きでご飯をかきこみ、学校のバックを背負う。
「いってきまーす!」
「はいはい、いってらっしゃい」
お母さんの半分呆れた様な声を背に私は玄関を飛び出した。