第3章 One Love
「そうなんだ…
でも最初怖くなかったの?」
「怖いですよ?
でもずっと何にもないと違う意味で怖くなるんです」
「違う意味?」
「さっきの大野さんと一緒です
自分に魅力がないのかな?とか
やっぱり男同士だから駄目なのかな?とか
好きになればなるほど確かな繋がりが欲しくなるのに相手はそれを求めてないのかもしれない
私が潤くんを好きと思っているほど潤くんに思われてないのかもしれない
段々マイナスの考えしか沸いて来なくなるんです」
「だから襲ったの?」
「はい
折角好きな人といるのにマイナス思考でしかいられないなんて勿体ないでしょ?
それで受け入れて貰えなければどちらにしても続きませんよ
求めているものが違うんですから」
「ニノスゲーな
一人でそこまで考えたんだ」
感心してたら
「なんてね
実は翔さんに相談しました」
「は?」
「だって私と潤くんの関係知ってるの翔さんだけでしたし
だから潤くんを襲えってアドバイスくれたのは翔さんですよ」
にこっと笑って言うニノは楽しそう。
「だから大野さんも襲っちゃえばいいんです」
「ん~、そうだなぁ
そのうち考えてみるわ
まだそこまで追い込まれてないし」
「まぁそうですね
付き合いだしてそんな経ってないですし
大野さんもできれば翔さんから求められたいでしょ?」
返事できなかったけど実はそう思ってたりする。
翔くんに好かれてるって実感がまだないから…
翔くんから行動を起こして欲しいんだ…
付き合えただけでも満足しなきゃいけないのに
どんどん欲が出てくる……