第3章 One Love
「そうですね
話だけ聞けば理解できませんよね」
「だってお前さっき忘れられない人がいたら他のヤツと付き合うなって」
「だから、忘れさせてくれたんです
今の恋人が」
「あっ、そういうこと…」
大野さんが納得といった感じだ。
「私が彼を好きだった以上に今の恋人は私のことを好きでいてくれたんですよ」
潤くんを想い自然に頬が緩む。
「……ニノ、幸せそうだな…」
「ええ、と~っても幸せですよ
だから私が好きだった人にも大野さんにも幸せになって貰いたいんです」
「ん~、俺はいいよ
でもお前お人好しだなじぶんを振った人に幸せになって貰いたいなんて」
「あの人がいなかったら今の私はいませんから
感謝しかないですよ」
「いい奴だったんだな…
俺はどうしてあげればいいんだろう」
「同じようにはいかないでしょうね
付き合わないと決めてるなら相葉さんを傷つけることになりますが、それを恐れないでくださいね
出来るだけ傷を浅くすることを考えましょ」
「うん…
あーっ!なんで上手くいかないかなぁ
この世の中最初から両想いの奴らってどんだけ存在するんだろ」
「ほぉ?面白いこと言い出しますね」
「だってさぁ人好きになるって自分でコントロールできないじゃん
それがお互いに好きになるなんてさぁ
どんだけの確立だよ」
「確かにそうですね
私が好きになった人も別に好きな人がいましたし」
「そうなの?それで振られんだ」
「まぁそうですけど」
「その人はその好きな人と両想いなの?」
「はい」
「へ~!両想いじゃ振られてもしょうがないよな」
「でもその2人は付き合ってませんよ?」
「はっ?なんで?」
「色々あるんですよ」
「勿体ねぇなぁ
はじめから両想いなんて奇蹟に近いのに」