第3章 One Love
確かに俺以外は翔さんの気持ちに気づかなかった。
でも潤くんの心配もわかる。
優しい相葉さんのことだから付き合いだした後に翔さんの気持ちを知ったらどんなに傷つくだろう…
「翔くん、あの時電話で俺になんて言ったか覚えてる?」
「んな昔のこと覚えてねぇよ…」
「翔くんは
『ニノが俺と付き合えば俺の中で永遠に1番にはなれない、いずれそのことで傷つくかもしれない、でもお前と付き合えばお前の中でニノは1番でお前はニノの中で1番にはなれずにお前が傷つくかもしれない。
お前はニノが傷つくのと自分が傷つくのどっちを選ぶ?』って言ったんだよ」
「……そんなこと言ったかぁ?」
「言ったよ
だから俺は覚悟ができたんだ
翔くんに遠慮せずにカズに向かって行けた
なにがあってもカズから離れないって決心できた」
潤くんそんな風に思ってくれてたんだ…
改めて潤くんの大きさを知ったよ…
「潤くん、今私の中では潤くんが1番ですからね?
確かに翔さんは特別な存在です
でもどちらかを選べと言われれば間違いなく潤くんを選びますから…」
そう言って潤くんにそっと抱きついた。
潤くんは抱きしめ返してくれた。
「ありがとう、カズ…」
そうなんだ、相葉さんの優しさは大野さんを包んでくれるだろう。
でも全てを知ってた上で全てを受けとめる覚悟を持つことができない。
翔さんと大野さんが両想いだということを後から知った場合、相葉さんが受ける衝撃は半端じゃない…