第16章 リフレイン
智くんがソレにオリーブオイルを塗り付けると、下の入口でヌルヌルと動かした。
いよいよ智くんが入ってくる…
グイッと押し付けられ、先っぽがナカに入ると痛みを感じた。
「あっっ!」
そうだよな、指とは全然太さが違う。智くんも慎重に進めてくれてるけど、息が出来ないほどの圧迫感を感じる。
「はっ、はっ、はっ…」
「翔ちゃん…ごめんね、苦しい?止めようか?」
優しい智くんの声に目を開けば、智くん自身も額に玉のような汗をかき、苦しそうな表情。
「ふっ、ぅっ…さと、くん…くる、し?」
「ううん…俺は大丈夫だよ?」
少し震えた智くんの手が、俺の髪を優しく撫でる。
「んっ…俺、も…だいじょ、ぶ。だから、つづけ、て…」
智くんが嘘を吐いてまで『大丈夫』と言うのならやめる必要はない。
「うん、わかった…もうちょっとだけ我慢してね」
智くんは微笑みを浮かべると、そっと触れるだけのキスを俺の唇に落とした。
「翔ちゃん…大好き…」
「えっ⁉」
突然智くんの口からから発せられた『大好き』。
それって、どういう?…そう聞こうとしたのに、智くんの腰がグイッと押し込まれ声が出せなかった。
「あぁっっ…」
ギュッと智くんに抱きしめられ、体の外と内に智くんの熱を感じた。
「はいったよ、翔ちゃん…ありがとう…」
安堵した声でお礼を言われ、目の奥が熱くなった。
「ん…智くんも、ありがと…」
冷や汗をかくほど苦しいのに、それでも俺のことを抱きたいと思ってくれたんでしょ?
さっきの『大好き』はそういう意味でいいんだよね?