第3章 One Love
<大野サイド>
「「かんぱーい!」」
「ん~、旨い!」
「仕事後のビールは美味しいねぇ!」
相葉ちゃんが手配してくれたお店はこじんまりとした和食屋の個室だった。
「なんか意外だな
相葉ちゃんがこんなお店知ってるなんて」
「そう?
最近渡部さんなんかにお店教えて貰ったりするからさ」
「あ~そっか」
「だからここ料理旨いよ」
「楽しみだな」
しばらく料理と酒を楽しんでいると相葉ちゃんが不意に聞いてきた。
「で、大ちゃんの悩みってなに?」
「…悩みなんてないよ」
「ほんとに?」
「ほんとに…」
「やっぱ、俺には言えないか」
相葉ちゃんの悲しい顔は見たくないけどしょうがないよな…
「……翔ちゃんのことじゃないの?」
急に聞かれびっくりして持っていたグラスを落としてしまった。
「大ちゃん、大丈夫⁉」
「あっ、ごめん!」
ふと我に返り慌ててお手拭きでビールをふく。
「俺こそごめん
急に聞いちゃって…」
沈黙が続いた。
相葉ちゃんが意を決したように話し出した。
「…大ちゃん翔ちゃんのこと好きなんでしょ?」
余りにもハッキリ言われ目を見開いてしまった。
「…なんで?」