第16章 リフレイン
「え~、じゃあ俺の言ってたこと合ってるじゃん」
「間違ってはいないですよ?ただね、ちゃんと言わないと誤解が生じるでしょ?」
「確かに…『気を遣われてない』ってだけ言われると、軽くあしらわれてる気がしたするな」
「でしょ?言葉は正しく伝えないとね」
「『気心を知れる仲』って言われると嬉しいもんだな。俺と翔ちゃんってそんなか?」
「俺が見てる限りだと、翔さんの一番気のおけない相手は大野さんだと思いますよ?」
「そっか…」
よっぽど嬉しいのか、笑みが溢れちゃってますけど…ほんと大野さんって隠し事が出来ない人だな。
そして隠し事が出来ない人がもう一人…
「ニノは?俺と気のおけない仲?」
ニコニコとしながら相葉さんが聞いてきた。
「いいえ、残念ながら気を遣わない仲です」
冷たくあしらうと俺をぎゅっと抱きしめてきた。
「えぇー!嘘でしょ⁉ニノちゃん!こんなに愛しちゃってるのに~」
「へっ?」
大野さんは驚きの声をあげ俺たちを凝視している。
「止めてください…」
「だってぇニノが意地悪言うから~」
「あなたが変なこと聞くからでしょ」
「変なことじゃないよ。大切なことでしょ?」
普段余り見ることのないこの人の真剣な表情。俺、その瞳に弱いんだよなぁ…仕方ないからちゃんと答えてあげますよ。
「そうですね、大切なことはちゃんと伝えてあげます…相葉さんは俺にとって気のおけない人です」
「ありがと」
相葉さんが嬉しそうに微笑んだから俺も微笑み返した。
「どういたしまして…」
「えっと…ふたりは…どういった…」
恐る恐るといった感じで大野さんが尋ねてくる。
「誰よりも気のおけない仲だよねぇ?ニノちゃん」
相葉さんが俺の頬にキスをした。
「…そう言うことです」
「えぇーっ‼」
絶叫が楽屋に響いた。