第15章 Waiting for you
「「かんぱーい!」」
ふたりでビールジョッキを軽く合わせビールを一気に流し込む。
「はぁ~うまっ!」
「翔くん嬉しそう」
「そりゃそうでしょ。仕事終わりの一杯は格別だよ。智くんだって嬉しそうじゃん」
「まぁね」
ふふっ、と笑う智くん。
メンバーとふたりっきりで飲むなんてちょっとぎこちなくなるかな、って思ったけど、そこはやっぱり智くんのほわんとした空気のお陰なのか凄くリラックス出来てる。
リラックスしているせいかアルコールの進みも早くてなんだか気持ちよくなってきた。
少し酔ったかな…
智くんは相変わらずニコニコと笑顔で、その笑顔を見ているだけで俺もニコニコしちゃう。
「翔くん、楽しそうだね?」
「楽しいよぉ~智くんはぁ、楽しくないのぉ?」
「もちろん楽しいよ?」
「よかったぁ~。俺ぇ、智くんと居るだけで楽しいのかもぉ」
「俺と居るだけで?」
「うん。だってぇ、智くんってぇ、マイナスイオン出てるでしょぉ?一緒にいるだけで癒されるからぁ…だからぁいまぁ、智くんが楽屋で待っててくれてぇ、それだけで疲れが取れるんだよねぇ~、ふふふっ…」
「マイナスイオンは出てないけど…
ほんとに俺、翔くんのこと癒せてる?」
智くんが真顔で聞いてきた。
「うんうん…今となってはねぇ、俺になくてはならない存在ぃ~」
リラックスしているせいかいつもなら言えない台詞を吐いてしまう。
「そっか…よかった…」
「なにがぁ?なにがよかったのぉ?」
「翔くんに必要とされて」
「ひつよぉに決まってるじゃぁん…智くんはぁ、嵐にひつよぉな人だよぉ…」
「嵐にじゃなくて翔くんに必要にされたいの」
「俺にぃ?」
智くんはニコッと笑って頷いた。