第14章 君への想い
押し倒されたままぎゅっと抱きしめられた。俺も智くんの背中に手を回し抱きしめ返す。
「マジで信じられねぇ…嘘じゃないよな?」
俺の耳元で智くんの声が聞こえる。
「うん、嘘じゃないよ?」
智くんが少しだけ体を起こすと俺の目を見詰める。
「じゃあ…キス…しても、いい?」
智くんとキス…もちろんいいんだけど、聞かれると照れるな…
「…ぃぃょ…」
小さな声でそう答えたら、智くんが嬉しそうな顔をして微笑んだ。
智くんの手が頬に添えられゆっくりと近付いてくる…目を開けていられなくて瞼を閉じたすぐあとに唇に温かくて柔らかい物がしっとりと吸い付いてきた。
初めて触れた智くんの唇…優しく触れてるだけなのに体中に熱が駆け巡る。
唇が離れて行き、瞼を開いた。目に入ったのはいつもの穏やかな智くんではなく、目の奥に焔を宿す智くん。
再び近付いてくる智くんを迎えるように俺はもう一度瞼を閉じる。
さっきとは明らかに違う口づけ…何度も角度を変えながら俺の唇を啄んだ…酸素を取り入れる為に薄く唇を開くと智くんはすぐさま舌を侵入させてきた。
そのあとも智くんにされるがまま…舌を絡めとられると吸い上げられる。
「ふぅっ、ん…」
呼吸と共に漏れる声…
智くんの手がシャツの上から俺の胸の辺りをまさぐる…胸の突起を探し当てられ軽く指先で摘ままれた。
「んんっっ!」
今までされたことのない行為に思わず背中が仰け反った。