第11章 One Step
<大野サイド>
「ねぇ櫻井くん、てかバンビィいいじゃん行こうよ…登山」
今日は歌番組でV6と共演した。で、岡田が俺たちの楽屋に押し掛け翔くんをしつこく登山に誘ってる。
「だって、岡田くんのレベルに付いていけるわけないじゃん…」
翔くんがさっきから断ろうとしてるのに岡田のヤツ全然引かないんだ…
「大丈夫だよ、登山っていっても散歩程度の所に行くから」
「それだって岡田くんの方が体力あるし、俺付いてく自信ないけど…」
もういい加減諦めろ、岡田。
「疲れたらおんぶしてあげる」
なんだとー!
「そんなの無理でしょ?」
翔くんが呆れ気味に言ってる。そうだそうだと内心で呟いた。
「じゃあ、手繋いで引っ張ってあげるよ」
「もう、なんでそんなに行きたいの?」
「だって、誰も付き合ってくれないんだよ?折角の山の日なのに…櫻井くんのマネに聞いたら丁度休みだって言うし櫻井くんと久し振りにゆっくり話したいなぁって思ってさ」
お前と話すことなんか何も無いわ!って言いたいけど、翔くんは岡田の事尊敬してるんだよなぁ…
「もう、分かったよ…しょうがないなぁ」
え?翔くん誘いに乗っちゃうの?岡田とふたりで山行くの?ある意味危険じゃない?
岡田がどれだけ本気か知らないけど、バラエティ番組で共演するときはいつも翔くんの事を可愛いと言う。
いや、バラエティだけじゃなかった…翔くんMCの歌番組ではお尻触ってた。
だから俺も負けじと翔くんを誉めるコメントをするんだ。