第10章 always
「うん、俺も…人間ってさぁ欲望の塊なんだろうねぇ」
「え、なんで?」
「だってさ、つい数日前までは智くんとこんな風にいられるなんて夢のような話だったのに、想いが叶ったら会いたくて仕方なかった…ほんとだったらさ想いが通じただけで満足しなくちゃいけないはずでしょ?」
「まぁ、理論的にはそうなんだろうけど実際無理だろ…恋人になれたのに想いが叶ったんだからそれだけで十分だろって言われてもさぁ」
「ん、そうだよね…良かった、智くんも同じ気持ちでいてくれたんだ」
「当たり前だろ?仕事の時だって目の前に翔くんがいるのに周りを気にして触れないんだよ?たまに俺、精神の修行してるのかと思うときあるよ」
「ははっ、大袈裟だな」
「翔くんはそこまでじゃないんだ…」
わざと寂しそうに言うと翔くんは慌てたように
「えっ、あ…ううんそんなことない、じゃなきゃ今日誘わないし…」
頬を薄くピンクに染める翔くんが可愛くて…そっと手を伸ばした。
頬に触れるとビクッと震える…翔くんが視線をあげると俺の視線と絡んだ…
ゆっくりと近付き頬を撫でると少し顔をあげ瞳を閉じる翔くん…
薄く開かれた唇に自分の唇を押しつけいきなり舌を差し入れた…
久しぶりに触れる翔くんに興奮が収まらない…
夢中で翔くんの咥内を暴れまくり欲望のままに貪り尽くす…
「…あっ、ん…智くん、ベッドいこ?」
翔くんの誘うような瞳に逸る気持ちをなんとか抑え翔くんを抱き上げた。
ベッドに下ろすとすぐに激しいキスを再開させた。
「ん、ふっ、んん…」
翔くんの喘ぎ声に煽られキスをしたまま押し倒すと翔くんの腕が俺の首に巻きつきぎゅっと抱きついてきた。
唇を首筋に移動させると翔くんの体がピクリと仰け反る。
「あっ、ん、はぁ…」
艶を増す翔くんの喘ぎ声に最早理性なんてものはどこかに飛ばされてひたすら翔くんの素肌の至るところにキスを落とした…