第10章 always
「『ひとりにできない』ね…
ってことは、翔さんも大野さんのこと好き、ってことでいいんですよね?
なんとなく、潤くんの考えてることが分かってきました…」
「今の話が確定の場合だろ?」
「ほぼ確定じゃないですか?
タイミング的にも、潤くんの様子がおかしくなった時期と一緒ですよね?」
「…うん」
言われてみれば、自主練の次の打ち合わせから松潤が変わった。
あの時、ドアの音がしたのは気のせいじゃなく、松潤に見られてた?
「どうします?大野さん」
「どうするって言われても…どうしたらいいのか分からねぇよ」
「そうですね…潤くんが気持ち伝えたとしても、答えるのは翔さんですもんね…」
重い沈黙が流れる…
トントン…
ドアをノックする音が部屋に響いた。
「相葉さんかな?」
俺は立ち上がりドアを開けに行った。
「大ちゃん、お邪魔します」
笑顔の相葉ちゃんが立っていた。
「どうぞ…」
「あれ~?なんか暗くない?どうしたのふたりして」
「ん、ちょっと…」
「松潤と翔ちゃんのこと?」
「やっぱり相葉ちゃんも気になってんだ…」
「ん~。あれだけ分かりやすくされたらねぇ…いくら俺でも気がつくよ。
今も、翔ちゃんの部屋から、松潤出ていく姿見たし…」
「そっか…」
そう言って俯いたら、相葉ちゃんが俺を抱きしめた。
「大ちゃん、辛いね…大丈夫?」
「相葉ちゃん?」
「大ちゃん、翔ちゃんのこと好きなんでしょ?
俺が気がつかないと思ってた?」
「あなただったら十分あり得ますけど?」
ニノが突っ込むと
「そんなこと言って強がってるけど、ニノだって辛いでしょ?」
ニノが驚いた顔をした。
「なんで?」
「俺だって嵐のメンバーだよ?
皆のこと、ちゃんと見てるんだから」
そう言って微笑む相葉ちゃん…
その相葉ちゃんの笑顔を見て、心が和んだ。
ほんとに相葉ちゃんは嵐の太陽だよ。