第9章 言葉より大切なもの
〈翔サイド〉
智くんが今までと変わらずにいてくれる…それだけで嬉しくなった。
これからも俺の事好きでいるって言うけど、それって逆に言えば俺の事嫌わないって事だもんね。
嫌われて離れていかれるくらいなら好きでいて貰った方が全然いい。
智くんが今までの智くんで無くなるなんて…あの優しい笑顔が俺に向かなくなるなんて、そっちの方が耐えられない。
俺やっぱり智くんに甘えてるんだな…
「智くんありがと、それとごめんね…」
「なんで翔くんが謝るの?」
「だって、俺凄い我が儘言ってるよね?
気持ちに応えられないけど側にいて欲しいなんて…
でも俺智くんの笑顔がないと駄目なんだ…
智くんの笑顔を見るだけで安心できるっていうか…
だから今日一度も目を合わせてくれないのが悲しくて…」
ほんとに狡いと思う…
こんなの我が儘でしかない。
自分の要求ばかりして、智くんは俺の事を優先に考えてくれていたのに…
きっと俺は気がつかない間にずっとそうして智くんに甘やかされて来たんだ…
その事を他のメンバーは気づいてた。
ニノも松潤も俺を鈍いと言う…あの相葉くんでさえ分かっていたって…
だって智くんいつだって態度が一緒なんだもん…分かんないよ。