第7章 turth
「明日仕事早いの?」
「ううん、仕事は午後から、だけど…」
「じゃあ、泊まってけばいいじゃん
着替えとか貸すよ?」
「…うん」
躊躇いがちに返事する翔くん…
翔くんは俺と一緒にいたくないのかな…
「大野さん、ちょっと…」
ニノが手招きで俺のことを呼ぶから翔くんのことは気になったけどニノのところに行った。
「なに?」
「ちょっとこちらへ」
肩を抱かれ楽屋の隅に連れていかれた。
「あなた、自分の言ってること分かってます?」
「なにが?」
「だ・か・ら、翔さんに自分の家に泊まれってどういう意味で言ってるんですか?」
「えっ、一緒に飲みたいから
翔くん車じゃ飲めないでしょ?
だから家で飲めば車気にしなくていいじゃん」
「…それだけ?」
ニノが疑いの目で見るけど
「他になにがあんだよ?」
「いえ、ならいいんですけど…」
何やら考え込むニノ。
「ん~、ちょっと待っててください」
そう言うと相葉ちゃんの元へ歩いて行った。
相葉ちゃんに何か話し掛けると相葉ちゃんは鞄の中に手を突っ込んで何かを手に取った。
ニコニコして俺のところに来ると手に持った物を俺の手に握らせた。
「はい、これあげる」
「なにこれ?」
握らされた物を見た。
相葉ちゃんが俺の耳に手をあてて使い方を教えてくれた。
「えっ⁉」
「し~っ!」
驚いて大きな声出ちゃった。
「ほんとはもっとちゃんと教えてあげたいんだけどね~
時間無いから基本だけね
まぁ、大ちゃんにその気がないみたいだけど、念のため渡しとけってニノが」